若返りの星

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「どうして、あなたはそう変わらないの」  リサの呟きを、若返った僕の耳は拾ってしまった。それはとても小さかったけれど、とても悲しげな響きを持っていた。 「僕はもう行くよ。君はどうするの?」  僕が聞くと、リサは珍しく口を噤んだまま、ごく稀に、本当に稀だけれど、たまに僕に向ける、とんでもなく冷たい視線を、その時投げかけ、それから目を伏せ、ぷいとそっぽを向いてしまった。  聞こえたのだから良いかと、僕は宇宙船に乗った。飛び立って次の星へと向かう。  この惑星には植物以外の生命体はいないようだった。きっとあの時間の流れの速さに耐えきれないのだろう。リサはいつまでいるつもりなのか。少し心配になって僕は暫く近くを飛んでいた。  三十分ぐらい様子を眺めていたと思う。オパールの惑星が小さくなったように見えたかと思うと、一瞬白銀の強い光を放ち、そして消えてしまった。  若返りすぎて、そのまま生まれる前の時まで遡ってしまったのだと思った。 「リサは?」  僕は計器をいじってリサの宇宙船を探した。まさかずっと動かずに、そのまま一緒に生まれる前にいってしまったのだろうか。  君まで、僕を置いていくのか。
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