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項垂れる僕の耳に、計測器のひよこの鳴き声みたいな音が入って来た。
レーダーが地球製の宇宙船を捕捉したらしかった。
リサは、生きていたのだ。
安堵でしゃがみこむ。
今まで散々迷惑を被ってきて、後をついて回るのをやめてほしいと思っていたのに、これだけ安心する自分が不思議でしょうがなかった。
いや、不思議ではないのだ。彼女に消滅してほしいと思っているわけではない。彼女の死や不幸を願っているわけではない。
僕が願っているのは、再会だけだ。
他の全ては別にいらない。
僕は気持ちを切り替えて、次の惑星へと向かった。
ハル、僕は君に会いに行く。
だから、お願い。
お願い、僕を、待っていて。
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