泡がはじける

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松田くんとは同い年だけど違う高校で、まあまあ近所に住んでるみたいだけど中学の学区も違って、だから、このコンビニでバイトをしなかったら出会わなかった存在だ。 帰宅部の高校生どうし、ひらたく言えば暇なので、シフトも融通がきくからか、大学生のお姉さま方やパートさんたちの入れない時のピンチ要員として、お互いしょっちゅう駆り出されている。おかげで、松田くんとは、ペアになることが多かった。 いつかはわからないけど、いずれ、好きになってしまうのだろうと。 はじめてシフトがかぶった日、耳に髪をかける松田くんの仕草を見てから、確信していた。 ふと伏せた時の、睫毛の長さが。やる気なさそうにレジを打つにもかかわらず、やさしい声で「ありがとうございました」とお辞儀するその態度が。 いずれわたしを、恋の沼に落とすのだろうと、はじめから、知っていた。 そしてその日は、思いの外はやく、おとずれることになった。 忘れもしない1年前の、夏の日だ。
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