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愛さずにはいられない
自分を見ているようで、
そんなあなたが嫌いだった。
面倒なことが嫌いで、嫌なことはすぐに諦める。
人には理想を求めて、自分には甘い。
こだわりが強くて、変なところで真面目。
それに、休日はいつまでも寝てる。
あえてあと一つ加えるなら、靴下をいたるところに放置しないで。
繰り返される日常。
このまま夜が永遠に続けばいいのにと思っても
こちらの都合はお構い無しに太陽が現れる。
「あなたはなぜロミオなの?」なんて、叶わない恋に憧れたあの頃も、12時で魔法が解けてしまう私を追いかけてきてくれる王子様の夢も、いつ消えてしまったのか。それすらもわからない。
幼少期に抱いたいわゆるトキメキは、どこかに忘れてきてしまったけど、愛さずにはいられない。
私にそっくりなあなた。
大っ嫌いな私にそっくりなあなた。
故に私は、あなたが嫌い。
それでも私は、愛さずにはいられない。
大丈夫、大丈夫。
あなたは愛されている。だって私がいるから。
きっと大丈夫。
あなたは一人じゃない。だって私がいるから。
そう思わずにはいられない。
だって、そうじゃないと私が立てなくなるから。
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