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一方青年はその後、尋ねるように話を続けた。
「その鎌、普通の鎌じゃないんだろ?体力を奪う能力か?」
「…………」
更に更に警戒する少年。
体力を奪う能力を持つ鎌……少年はその鎌を操る者と戦った事がある。
彼の事まで知ってるなんて……。
とても怪しい……。
僕を探しにここまで来たんだ……逃げようとしても、きっと逃してくれない……。
こうなったら……
「…………っ!」
少年は青年を見据えてすぐに駆け出した。
そしてその際に、少年は手にあるものを出現させた。
それを見た青年は身構える。
「鎌……!いきなりか……っ!」
少年の手に握られているもの、それは鎌だった。
色は黒みが掛かった黄色……以前に見た鎌とは異なるが、普通の鎌ではない事はすぐに分かった。
青年はすぐに地面を蹴って後ろへ跳躍し、向かってくる少年の攻撃をかわす。
鎌の刃に触れたら、鎌の能力が発動する……だから刃には触れてはならない。
青年は少年の持つ鎌の刃に注意しながら、その場で再び身構える。
するとそれと同時に青年の両手の爪が獣のように鋭く生え伸びた。
その青年の両手を見て少年は目を見開く。
「え……っ!?」
爪がいきなり生え伸びた……?
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