Ep.1 帰還中のトラブル

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「……っ!」 突然乗り物から響き出す警報。 ロイは思わず警報が鳴っている場所……ハンドルバーに目を向ける。 何か危険なものに出くわした場合、乗り物から自動的に警報が鳴ると聞かされていた。 だが実際に生で聞いたのはこれが初めてだった。 やはり周囲の者に知らせる為に、音はかなり大きい。 その大きさは通信機の奥にいる彼女の耳にも届いていた。 「ロイ……っ!?今鳴ってるのって……」 不安の声を漏らすメアリー。 一方、ロイはハンドルバーを握りしめながら、険しい表情で前方を見つめていた。 「メアリー、悪い……。少しの間、話しかけないでくれ……」 ロイは前方を警戒しながら通信機の奥にいるメアリーに告げる。 ロイが今見ているもの……それは大きな時空の波。 波に飲み込まれて乗り物から離れてしまった場合、時の漂流者となって二度と帰還する事が出来なくなる。 よってロイは必死に乗り物を操縦して、押し寄せてくる波をかわそうとする。 「チッ……波がでけえ!」 迫ってくる波を振り切ろうとするロイ。 しかし波は巨大で、数も多かった。 「……っ!ああぁっ!」 やがてロイは波に追いつかれ、乗り物ごと波に飲み込まれてしまった。
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