4・再会

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「改めまして須藤 励っていいますっ」 「レイさん。どんな字を書くんですか?」 「励む一文字でレイって読みます」 「ふ~ん。いい名前ですね。私は美月。美しい夜空の月」 「うわぁ、キレイな名前ですね。そんな日に生まれたんでしょうね」 「ハハ。本当にそうみたいですよ」 「やっぱり。ハハハ」 「僕、年齢は22歳です。あっちの京智大学に通っています」 「あぁ、近所の大学だぁ」 「そうです。ハハハ」 「私はひとつ年下の21歳です。今は家にいます」 「そうなんだ。学生かと思った」 「いえ、ちょっと事情がありまして。前は通っていたんですけど」 「事情・・・? そうなんだ・・・」 「その格好からするとランニングでもしていたのですか?」 「まぁ、自転車でね。今日は小春日和で気持ちが良かったんで」 「ですよねぇ。私もそうだったんです。お散歩です」  何このテンポよく弾む会話は! まるで久しぶりに会った同級生みたいじゃないか。これはチャンスだぞ。先延ばしにしちゃダメでしょ! 「お昼でも食べに行きます?」 「いいですね」 「ホントに? あ、じゃあ美月さんの好きなマルゲリータでも食べますか」 「マルゲリータ?」 「え? だって好きなんですよね。この間お母様が言っていましたよ」 「え? そうでした?」 「はい。じゃあ、そうでも無かったんだ。ハハハ」 「何でもいいですよ、私は」 「なら近いからそこの喫茶店でも行ってみましょうか」 「ハイ。お任せします」  マジか。何て可憐なんだ。どうしよう、妙に冷静な自分が理解できない。普通のカップルみたいじゃないか! 僕は上機嫌で喫茶店へ入ったんだ。
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