き・お・く complete version

１・目覚め

　いつもよりもいい目覚めだ。

　いい目覚めって何だろうと思うけど、いい目覚めって感じだ。
　空は清々しく･･･もない。曇りだったわ。
　窓を開けると澄んだ風が心地よく入って･･･も来ない。
　目の前はリサイクル工場だし、そんな澄んだ空気とは言えないな。
　鳥のさえずりが･･･無いわ。
　あ、カラスが前のゴミ捨て場の籠の上を歩くのがうるさいや。

　それなのに何だ、この「いい目覚め感」は。
　まぁいい目覚めなのだから問題は無い。今日も平凡な一日を始めよう。

　僕の一日を紹介しておく。

　朝７時半頃に起きる。お腹が空いていたらテキトーに何か食べる。大体がパンかな。菓子パンが好きだから、昨日買っておいたやつを食べる。それが無ければ我慢する。または近くのコンビニで買う。いや買わないか。寝る方を優先だな。まぁそんな感じで月、水、木はバイトに行くんだ。バイトは工場。８時４５分までに入ればセーフ。徒歩１５分。１５分と言うのは工場の入口まで。タイムカードを押すまでなら部屋から１８分ってところかな。

　大学はその隙間に通っている感じだね。工学部。大学の日は結構寝坊ができるからどっちが主なのかと言えば、バイトの方がシャキッとしているな。それでも一応名のある大学だよ。そう、僕は有望株ってところだ。それは言い過ぎかな。でもちゃんと学業も頑張っています。