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「おかーさん、早く帰ろうよー」
「ちょっと待って!買い物中なの!」
「早くー!」
「もー、お菓子買ってあげるから待って」
「わーい!お菓子見てくるね!」
どこからどう見ても人間の親子である。しかし、河童なのだ。
どこが河童か、よく見て欲しい。
顔は人間。皿もなければ肌は肌色。
上手く人間に化けていることがよくわかる。しかしこの母親のこの後の30分間で簡単に判断することができる。
「んー、これちょっとダメねー。あ、これ良いわね、あ、こっちも良いわね、でも、うーん、悩むわぁどうしましょ。」
そう、この後30分間キュウリの品定めをするのだ。これは完全に“河童”である。
因みに子供の方を見てみよう。
「おかあさんお菓子って言ってたけど、これ欲しいなぁ、これ欲しいなぁ。」
手に持っているのはキュウリのプラモデルである。これは完全に“河童”である。
何故キュウリのプラモデルが?君は見たことが無いかもしれないが店長が河童の店にはよく置いてある。
このように『キュウリに目が無い人間』これは“河童”である。
これで河童の見つけ方がわかったと思う。しかし、これではまだまだ見分けることが出来ない。
次はあの青年を見てみよう。
晴れた日のベンチに座っている彼は誰かを待っているのだろうか。
しかしキュウリの姿は見えない。これでは河童かどうか判断出来ない。そう思うかい?ではもう少し観察してみよう。癖が見れる。
「ふぅー、今日もあっついなぁ、あいつまだこねぇのかよ...喉渇いたな...あっ!」
変化している事を忘れ、頭にあったはずの皿に水をかけてしまった。お陰で髪の毛がずぶ濡れだ。
『街で晴れているのに髪が濡れている人間』それは基本“河童”だ。
後は『スポーツをしている時に頭から水を被る人間』あれも基本“河童”だ。
他にも色々ある。例えば『ハゲた人間』あれは十中八九“河童”だ。頭の変化が苦手な“河童”だ。後は『手袋をしている人間』あれは手の変化が苦手な“河童”。『マスクをしている人間』は、口の変化が苦手な“河童”だ。
そう考えると世の中河童が多く見える。しかしその全てが河童だと言うわけでは無い。その中に河童が《紛れ込んでいる》可能性がある。と言うのが正しいのだ。
いくらなんでもキュウリ農家の20%位は正真正銘の人間なのである。
しかし真実は知らなければわからない。真実を知らない限り、河童は人間なのだ。
これからも私は河童について調べたいと思う。君達も何かわかったら私に教えて欲しい。また河童についてわかり次第報告しようと思う。
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