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ずっと黙って聞いていた瑠生兄が
私の背に手を置いた
「和泉・・・ごめん。
俺、何もわかってなかったな
和泉の気持ちに
気づいてやれなかった
自分の気持ちばかり優先して、
ダメだな… 」
瑠生兄は
ゆっくりと背中を撫でながら
私に言ってくれた
「わかった
和泉は自分がしたい事をして良いよ
俺はどんな和泉でも見守って行くから・・・」
私は信じられない気持ちで瑠生兄を見上げる
「本当に?瑠生兄、ありがとう! 」
「ただ、泉に一度言っておこうと思って」
「・・・何?」
真剣な表情の瑠生兄に
戸惑いで笑顔が消える
「俺は和泉が思っている10倍、いや100倍
和泉の事が大事だから
変な気を回して
俺から離れて行くとか絶対するなよ」
瑠生兄の思いがけない言葉に驚き
そして、その言葉を噛みしめる
嬉しくてまた涙が溢れた
「ほら、返事は?」
私は瑠生兄の胸に顔を埋めて
声になら無い声でうんうんと頷いた
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