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ーーシナウスとアサノ王女が順調にデートをしている間、ゴウとミタ王女は意見が平行線だ。当たり前だが。
カネウスは玉座の前で痴話喧嘩をやめないゴウとミタ王女に雷を落とす。
「いい加減にしろ! ミタ王女、ゴウ。間から出ていきなさい」
カネウスは2人を半ば強引に玉座の間から追い出す。すると、外国からホットライン通話が来た。カネウスは電話に出る。
「もしもし。こちらカドバーン王国国王、カネウス・カドバーンだ。貴国は?」
「ホーケー民国大統領、ブンブンブンだ」
「何の用だ? 我が国の自動車を輸入するという条約を反故にしておいて」
「それはホーケー民国の国内世論の問題だ。それより、我が国発祥のハイパーディトゥ鋼を売ってくれないか? カネならいくらでも出すから」
カネウスはぶちギレそうだ。ホーケー民国の国民性とも言うべき、相手の癪に障るウザい話し方。
「原石なら1トン、1億スリラで売ってやってもいいぞ」
カネウスはブンブンブン大統領に吹っ掛ける。しかし!
「じゃあ100億スリラ支払うから、精製した物も付けてくれ」
「精製? 鎧兜か、それとも刀か」
「箱で良い。そうだな、金庫だ。頑丈な。5メートル四方の正方形で頼む」
「先払いだぞ」
「もちろんだ。明日にでも空挺で現金を輸送しよう」
電話は一方的に切れ、カネウスは怒りが更に込み上げてくる。しかし、カドバーン王国は財政難。ハイパーディトゥで入る100億スリラで資本建て直しを考えていた。
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