これより三役

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ーーポク、ポク、ポク、チーン。 次の日の未明、国王が急逝した。ソルト・ヨコヅーナ国王が亡くなった。病死だ。その一報をテレパシーで知ったオウノ王子は帰国するか迷ったが、自分の使命を果たすことにした。カドバーン3王子の性格調査だ。 オウノ王子はホテルから出て馬車に乗る。目指すは、カドバーン城。途中、花屋の前でケンが叫んでいた。 「カミウス最低! カミウス最低! カミウス最低!」 オウノ王子は騎手に停まるように指示を出して馬車を降りる。 「そこのお嬢さん。カミウス殿が最低とはどういう事だい? 詳しく教えてくれないかな」 「なんだ、テメーは!?」 「おや。朝っぱらから酔ってるのかな?」 ケンは酒臭い。婚約破棄からずっと飲んでる。 「あたしゃねぇ、未来のファーストレディだったのよ。それが、他に女ができたって。飲まにゃやっとれんわい」 オウノ王子は思った。カミウスが姉の結婚相手候補となるから別れたのだと。こんな可愛らしい娘を捨ててまで。 オウノ王子は再び馬車に乗り、カドバーン城に入る。ゲートを潜ると、石造りと機械が入り交じった近代的な城だ。ハイパーディトゥ鋼で武装した兵士が数人、見張りをしていた。シナウスが運転していた2000万スリラの車も停まっている。 オウノ王子は馬車を降りて城を見渡す。 「素晴らしい城だ。ヨコヅーナ王国も負けてられないな…………父上」 オウノ王子はまだ若いのに気丈に振る舞う。すると、城を案内するためのシモベが来た。シナウスの元学友の男、コトオーだ。 「オウノ様、玉座まで参られい」 「ああ」
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