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あなたなんて嫌い。
誕生日にはおめでとうのお手紙と、ちっちゃなお花だけだし
たまに買ってくれたお洋服だって、
こんなのいつの時代の古着屋さんで売っているの?というくらい
絶対着て歩けないようなTシャツだし、
一生懸命、料理の勉強をして作ったクリスマスの御馳走も
なんにも言ってくれないで、ぱくぱく全部食べちゃうし。
声は大きいし、髪の毛はぼさぼさだし。
それに、家の障子におっきな穴開けて
自分でやるよなんて言って、よけいしわしわの障子にしたじゃない。
私が熱を出して、うんうん寝ていた時なんて、
大きな手で流しの洗い物をして、私の大事なお茶碗も割ったでしょ?
私の気持ちは何でも解るんだ、なんて胸を張って
ちっとも解っていないわ。
何よりも私があなたを嫌いなのは
絶対絶対私をひとりにしないよ、ってあんなに約束したのに
車なんかの事故で、こんなに大怪我しちゃって
まだ目を開いて、いつもみたいに大丈夫だよって言ってくれないじゃない。
私はひとりじゃ何もできないじゃない。
笑ったり怒ったりもできないじゃない。
呼吸も食事もうまく出来ないじゃない。
こんなに私を怖がらせて
このまま逝ったら、絶対に許さないんだから。
あなたなんて大嫌い。
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