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「真人、キスは」
「外でイチャイチャすんなよ」
隙あらば俺に絡んでくる京夜。腰に回された腕を掴んで引き離し、家に戻る。
「で、会社いかねぇの」
なぜかこいつは仕事着であるスーツを着ない。なぜだ。キスしないと行かないつもりか。
「キスは行くときやるだろ。今は忙しい」
熟年夫婦のように甘さもない俺達。ていうか俺。恋人だった時からこんな感じである。俺が甘甘とかなんねぇから。
「まぁ、それはいいんだけどさ。してもらいたいけど。真人もうすぐ発情期でしょ。だから休み貰った」
「はぁ!?はやくね?まだ3日くらいあるんだけど。」
「もう3日でしょ。良いんだよ。会社も良いって言ったし。やることやったし」
「子供みてぇなこと言ってんな。働けるときに働け!」
そう、こいつはデキがいいのだ。αだしな。それは良いんだけど、どうもいらないところにその能力を使う。特に発情期の時とか記念日の時とか。
斗真が生まれてから幼稚園年少くらいまでは抑制剤をのんだが、俺や京夜の実家に斗真が馴れてからは、斗真を預けて京夜と1週間過ごす。
俺は抑制剤がよく効くから京夜がいないときにきても全然大丈夫なのに、こいつはいつも早目に休みをとっている。
働いて金を稼ぎやがれ!
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