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一階の到着ロビーを出ると、各方面行きのバスがずらりと並んでいた。
浜本は、わたしのスーツケースと自分の鞄を持っているのに歩くのが速い。
「浜本、待ってよ、速いってば」
浜本は、わたしを無視してどんどん歩いていく。
「こら~浜本、聞いてるの? わたしは、足が痛いんだってば」
浜本は、くるりと振り返り、
「俺は、腕が痛い。バスの本数が少ないんだから急がないといけないんだよ。足が痛いのなんて我慢しな」
浜本は、そう言ってふんと鼻を鳴らして、また、歩き始めた。
アイドル英美利の扱いを知らない奴だな。頭にくる。
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