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「エリナどうやらこの西山ま~んの勝ちのようだな」
西山さんは勝ち誇ったように言った。
わたしは赤色マントに覆われて身動きが取れない。悔しい。本気で悔しい。今もわたしの視界は赤色の世界だ。赤色しか見えないのだから。
確か台本では、ごめんなさいと謝る場面だ。だけど謝りたくない、こんな赤色マントごときに負けたくない。
「どうしたエリナ悔しいのかな?」
西山さんは自信に満ち溢れた声で言った。
「……。わたしは負けない、だけど、今はこの赤色マントに負けました」
わたしは赤色マントに負けたと悔しいけれど言った。仕方がない。わたしは悪役意地悪女エリナだ。そして西山さんは正義の味方赤色マントなのだから。
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