わたしは美人な英美利です

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わたしは美人な英美利です

バチ~ン、バチ~ン! といい音が鳴り響く。 「痛い~何をするんだよ、英美利(えみり)」 と男性の高い声がわたしを責める。 「まあ、わたしが何をしたと言うのかしら?」 「何をしたって、今、物凄い力で俺の頬を叩いたじゃないか! 痛いじゃないか」 「あら、だって、この台本に頬をおもいっきり強く叩く、ベシバシッって書いてあるけど」 「俺を誰だと思っているんだ~」 「え~とっ、たしか、西川(にしかわ)さんですよね?」 「ふざけるな~俺は西山(にしやま)だ!」 「あら、ごめんなさい。西山さんでしたね」 「ふざけるな~英美利」 名前をちょっと間違えただけで、怒り狂うなんて器の小さい男だわ。
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