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少しすると店の奥から別の女性店員さんが出てきて焼酎を持って僕の席に近づいてきた。
「柊真?」
急に自分の名前を呼ばれて驚いた僕は、カウンター内のその女性店員の顔をまじまじと見て気が付いた。
「紗月?」
その女性店員は僕が小学校の頃からの幼なじみで、大学時代にお付き合いしていた『香坂 紗月(こうさか さつき)』という女性だった。
大学時代の紗月は、髪を後ろで縛ってメイクが薄い感じだったけれど、スナックでは髪を下ろしてメイクを濃いめにしていて、とても美しい女性になっていた。
「あれあれ、お二人は知合いですか?」
ママさんの質問に、
「私達小学校の頃からの幼なじみなんです。」
と紗月が答えてくれた。
「水割りでいい?」
「うん。
紗月も飲んで…」
僕がお酒を進めると、
「ありがとう!
じゃあ、一緒に焼酎いただくね!」
と言って2人分の焼酎の水割りを作ってくれた。
「大学卒業してからここで働いているの?」
僕が大学卒業後の紗月のことが知りたくて質問すると、
「就職した会社が倒産してしまったの…
いろいろ職を探したけれど良い仕事がなくて、今ここで働いているのよ!」
紗月は苦労しているんだなと感じた。
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