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「なあ、明日どうせ暇だろ?今日は朝までパアッとやんない?」
俺の親友、田仲 海都は中学生の時からの幼馴染で俺の事を良く知っている。
今の誘いも、俺の体がはしゃぎ過ぎてアルコールを欲しているのを悟ってのものかもしれない。
冷たいサワーを喉に思いっきり流し込みたい気分。
俺は勢い良く首を縦に二回振ってみせた。
「よし、じゃあ決まり!店は俺が決めてもいい?」
「ん、酒が飲めれば何処でも良いよ」
海都は俺の返事を聞くや否や上機嫌にスマホを取り出して渋谷駅のある方へと軽快な足取りで歩き始めた。
俺もそんな足取りにつられて自然と弾んだ足取りで海都の斜め後ろをついていく。
ーー最高の夏休みの始まりが、最低な人生のお終いになる事など露も知らずに。
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