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鵺雲さんがその動きを制止させた。 ……乙女坂と呼ばれた男は瞬きを繰り返しながら視線を鵺雲さんへと移した。  乙女坂……ってこの店のオーナーの名前だったような。 「何だよ、やっぱり臓器売らせる方が手っ取り早いってか?」 「違え。コイツ此処で働かせろ」 「あ?」  鵺雲さんのその一言に、俺と男の動きがピタリと止まった。 「今、なんて……」 「だから、此処で働けっつってんだよ。俺の専属のボーイとして働け」 「え……は?!」  頭の中がごちゃごちゃに混乱している俺に聞き返されると、鵺雲さんは怪訝そうに眉を顰める。 「臓器売ったり、ケツの穴ガバガバになるより良いだろうが」 「いや、でも……」 「でも、じゃねえ。俺が提案してやってんだから、大人しくやりゃ良いんだよ」 「……」  鵺雲さんからのとてつもない圧を受け、思わず言葉を失ってしまった。  な、なんでボーイ?てか、ボーイで500万なんて金返せんの?そもそもこんなところで働きたくないし、怖えし、もう帰りたい。切実に帰りたい。
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