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「よし、決まりだ。良いよな、乙女坂」
鵺雲さんはようやく満足そうな笑みを浮かべ、乙女坂さんの方を振り向いた。
見るとやれやれとばかりに乙女坂さんは肩を竦めている。
「うちの王様がそう言うならしょうがねえな。せいぜい死なないように頑張れよ」
オールバックにしている髪を搔き上げ、乙女坂さんは再びソファへと腰掛けてキーボードを打ち始めた。
「……お前、名前は?偽名とか言ったら殺すぞ」
「さ、咲本千紘です!」
「咲本か……長えから咲って呼ぶわ。明日から早速働け。今から契約書書かせるから」
こうして、俺の史上最悪の夏休みが幕を開けてしまったーー。
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