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辛うじて上に乗っている方の顔は見える。 長めの前髪で片目は隠れているが、目鼻立ちの整った端整な顔立ちであるのがここからでも分かった。 眉を顰め、目をぐ、と細めて険しそうな顔をしているが、愛おしそうに下にいる人物の肌を片手で撫でている。 ……あれ?あの人、階段の写真で見た事あるような……。 俺が無意識に前のめりになった瞬間、 ーーゴンッ。 靴のつま先が扉にぶつかり、鈍い音が響いた。 「あっ……」 「ーー誰だ?」
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