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「そんじゃあ、ボーイの仕事を簡単に教えんな」
人差し指をピンと立て、一夏さんはニッと笑う。
「先ずは掃除!床からショーケース、テーブル隅々まで綺麗にすること。特に鵺雲さんの卓の周辺が少しでも汚れてんのはやばいから気をつけろよ」
「え、やばいって怒られるとかそういう意味で?」
「んー……シンプルに半殺しに遭うね!だからお前は鵺雲さんの卓周辺しかやんなくて良いよ」
爽やかな笑顔で物騒な事を言ってのける一夏さんに、俺の背筋はぶるりと粟立った。
「あとは、ドリンクとかフードの注文聞いて持ってく!特に鵺雲さんとこは注文数エッグイからスピーディに持ってく事!これも遅れたら半殺しに遭うかんね」
「はぁ……」
とんでもない人の専属になってしまった。
聞いているだけで忙しそうな仕事の内容だと分かる。
しかも、冗談か本気か……半殺しとかいうリスク付き。
自分の顔がどんどん引きつっていくのが分かった。
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