#5

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  「……おはようございまーす」  今日は、納涼祭イベント初日。  今日から一週間、キャストとボーイは浴衣姿で接客をする事になっている。  限定の酒やフードも出たりするらしく、通常の営業よりもイベント時は客足が多くなるという。  初めてのイベントで、何故か緊張の収まらない俺は早めにMirageに到着した。 「あ、おはよう、咲くん」  控室へ行くと、そこには私服姿の伊澄さんとスーツ姿のオーナーがソファに腰掛けていた。  何かを話し合っていたのか、机の上には色々と資料が広がっている。 「……慣れたか?」  2人の視線がこちらへ向けられ、オーナーが低い声で声を掛けてきた。  ……一度風俗に流されそうになった恐怖体験のせいか、俺は未だにオーナーが苦手だ。普段話す機会はないけど……なんか雰囲気が怖い。
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