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#2
ーー夏休み、一日目。
今日からが最高の夏休みの始まり……のはずだった。
夕方17時。
俺は重い足取りで、地獄の歌舞伎町へと向かっている。
昨日はあの後契約書を書かされ、身分証明書である免許証のコピーをとられてから海都に悟られないように何食わぬ顔で席へ戻った。
こんな事海都にバレたら、責任感の強いアイツは自分がやる、とか言い出しそうで、「お前がこんなところに誘うから俺は500万の借金を負ったんだぞ」だなんて口が避けても言えそうにない。
海都と別れるまで俺は何食わぬ顔をし続けた。
そして夜は泥沼のような疲れを抱えた身体をベッドへと倒し、昼まで爆睡した。
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