運命の出会い

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こらえきれないといったていで銀狼が遠吠えをした。すさまじい声量だった。おまけに長い。 銀狼を中心に強風が発生し、木々がいっせいにざわめいた。枝はもちろん幹をも揺らすほどの圧迫感に、木の葉が渦を巻いて乱れ飛ぶ。おぅふ。なんという肺活量……てか、耳がきーーんってして痛い! うう、木の葉が顔にピシピシ当たる。オレは必死で前足でガードした。 すると、ただでさえ大きかった銀狼の体がぐんぐん膨らんでいき…あれあれ? なんか胸板も厚くなった? 毛もふさっと長くなってない? 優雅に風になびいているよ。全体的にキラキラ輝いてるし、太ももあたりの筋肉も盛り上がって……ええ? なんかパワーアップした!? 黒狐との体格差はもはや歴然だった。馬と大型犬くらいだったのが、ゾウと中型犬くらいになり…。ん? 黒狐おまえちょっと縮んだか? さっきまでプランプラン揺れていたオレの両後ろ足が地面に接してる。 ちらりと上目に見やると、黒狐はあきらかに戦意を喪失していた。腰が引けブルブルふるえている。オレをペッと吐き捨てると、ケンケーーンッと叫びながら木立の中に消えていった。 さしずめ「覚えてろよーーッ」ってところかな?
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