運命の出会い

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会ってまだ一時間にも満たないけれど、オレはアランを信頼した。飼われる気満々だった。 だってこいつ絶対いいやつじゃん? 安直すぎるかもだけど、野良猫を保護するやつに悪いやつはいないよな? こんだけ身なりがいいイケメンだし、理知的な風貌には好感しかないし、住んでるとこだってきちんとした家に決まってる。なにより清潔感がある。元日本人のオレ的にはソコが一番大事だ。 ふたたび懐に抱き込まれる。歩きだすアラン。心地よい揺れにオレの尻尾もリズミカルに跳ねる。 大きな手が耳のあたりを優しく掻いてきて、オレはうっとりと目をとじた。 まだお腹は減ってるはずだけども幸福感が半端なくて、ご飯なんかどうでもよくなってきたし。 勝手にのどもゴロゴロ鳴り出して。気づいたアランが立ち止まりほおずりしてきた。お返しにオレも額をこすりつけてやった。うりうり。 は~、幸せだな?
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