運命の出会い

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オレは猫が好きだ。三度の飯より大好きだ。 優美な肢体につやつやの毛並み。 クールで気まぐれでときには甘えん坊という、つかみどころのない性格。 その「自由」を体現した存在そのものがたまらない。尊い。愛しい。美しい。萌え~なのだ。 実家にいた三毛猫のアンを筆頭に、野良でも血統書付きでもどんな猫でも愛せる自信がある。 前世はおそらく猫だったんだろう。 来世もきっと猫になると確信していた。 だから見知らぬ森の中で猫の姿になっていても、べつだん驚きはしなかったのだ。 え? ここどこ? と思いながら近くの小川にて自分の姿を確認し、あれオレ猫になってんじゃん、ラッキー♪ なんて軽く考えたりして。 しばらく小川でパシャパシャ水遊びをしたり散策したり、見たこともない草木や花のにおいを嗅いだりしてたら腹が減ってきて。 けれどもいざ探してみると猫のオレに食べられそうなものはなにもなく……。 あらためて小川をのぞきこんでも小魚一匹見あたらない。水は澄んでて透明度の高いきれいな川なのに…なんで? そういえば鳥の鳴き声もしないし、リスやネズミなど小動物の気配もない。虫も見てない。聞こえるのは風に揺れる木々のざわめきだけ。つまり生き物の気配がまったくしないのだ。
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