運命の出会い

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ええぇ、なんかさらにデッケェ……。 銀狼は黒狐よりさらにひとまわり大きかった。うなり声も迫力がある。 でも黒狐もひるんでなかった。オレを口に咥えたまま負けず劣らずのうなり声。器用だな。…なんてのんきに感心してる場合じゃない。 これは一体どういう状況なんだ? 両者にらみ合いの息詰まるような状況のなか、必死で考えを巡らせる。 銀狼はオレを助けてくれるのか、それとも、エサとして横取りして食うつもりなのか。 狼って肉食だよな。ってことは、黒狐から助けてもらえたとしても「ありがとう、じゃ!」とはいかないよな? 結局は黒狐にヤラれるか、銀狼に食われるかのだっちかなわけ? どっちも嫌なんですけど!! オレの苦悩はさておき、両者…じゃない、両獣はうなりあったまま相手の出方をうかがうばかりでなかなかアクションをおこさない。こういうのって、先にガオッと手を出した方が負けるとかあんのかな。平和主義を地でいくオレには喧嘩のセオリーはさっぱりだ。 でもオレを口に咥えたままの黒狐のほうが身動きがとりづらくて不利だよな? 銀狼のほうが体も足も大きく、牙も鋭く尖っているんだから先にガオッとしても大丈夫な気がするんだけど…。何をためらっているんだろう。
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