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「リュスランも? 好きじゃないの?」
「僕は残念ながらゲイじゃないから」
エイダンは肩をすくめた。
「じゃあオレにも興味ないよね」
「そういう意味ではないね」
「だってさ」
振り向きにっこり笑うヒロキにアランは複雑な顔をした。ゲイとはなんだと口をはさむ隙もなく会話は続けられていく。
その楽しそうな様子にハラハラするが、繋いだ手をギュッとされると我慢するしかなかった。
そんなアランの複雑そうな顔を見てエイダンが微笑んだ。焦げ茶の瞳は寂しげだが穏やかで、ヒロキに特別な感情を抱いたようには見えない。その事実に免じてアランはいくぶん態度を和らげることにした。
黙って二人のやり取りを見守る。
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