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欲情を持てあまし、このまま寝室にこもり思う存分ヒロキを愛でたい欲求をなんとか押さえつけると、居間へ戻った。
ソファに降ろしてやると、いつもはすぐに丸くなるヒロキが腕にすがりついてきた。めずらしく服に爪を立てて離そうとしない。
爪を痛めないように外していると「ナ~、ンナ~!」と必死に鳴いて引き留めてきた。寂しい、置いていかないでと訴える声に愛しさが溢れだし、理性が焼ききれそうだった。
なんとか宥めてこの場から、ヒロキから離れなければと焦っていた時だった。
ガチャンと何かが割れる音がした。
ハッと見やると、いつの間に入ってきたのか、若いメイドが顔を真っ赤にして落として割ってしまった茶器を震えながら集めていた。カーペットに大きな染みができている。
アルファであるアランのヒートにあてられたのだとすぐにわかった。発情したオメガ特有の甘い誘惑香が部屋いっぱいに広がり、アランの脳が痺れだす。
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