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先に好きになったのは、多分私だね。
教室でクールに振舞ってるのに、屋上で私とご飯食べてるときは照れたり焦ったり笑ったり。ギャップ萌えってやつだよ。君といると笑顔になれた。
あの頃から、ちょっと意識し始めてたんだ。
でも、好きになったのはあの出来事のとき。
君とご飯食べてるのクラスのリーダー格の女子に見つかっちゃって、
私が結構ハードないじめにあってたとき、
転ばされてしゃがみこんでた私に「大丈夫?」って、手を差し伸べてくれたね。
その時、あの女子に怒ってくれてる君を見て、
完全に好きになっちゃったんだ。
それからは結構努力したよ。ヘアアレンジもメイクも、やったことなかったから大変だった。
でもそのとき、高校で初めて友達ができたんだ。
可愛くてモテるのに、ズバズバ言いたいこと言っちゃうから嫌われてたあの子。
私にメイクの仕方教えてくれて、服買いにいくのも付き合ってくれた。
今では、1番の親友。
最初にデートに誘った時、映画のチケット当たったっていうの、気づいてたと思うけど、あれは嘘。そうでもしなきゃ恥ずかしくて誘えなかったんだよ。
あのデートはすっごく楽しかった。
最初、「そのワンピース似合ってる。」って、そっけなかったけど、横から見たら耳が赤くて、本当にそう思ってくれてるんだって、舞い上がりそうだった。
普段見ないSF映画も、あのときはすごく面白く感じた。
帰り際、君が「楽しかった」って言って笑ってくれて、その時のもどかしくて嬉しくて、ちょっと泣きそうになるような、青春にしか味わえないあの感情は、今でも覚えてる。
君がくれたあの感情も、友情も、一生の宝物だよ。
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