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なんだったんだ……。衝撃の出会いだった……。……しかも、最悪……。
全ての力が抜けて放心状態になった私。そんな私にウリア様が近付く。
この人もかなりの美しさだけど……。さっきのあの人は……。鮮明に記憶に残るその姿は、この世の全てを凌駕していた。完璧な美しさ。完璧を通り越した美しさ……。いや、違う……。そうじゃない……。
あの人の姿に少しでも近づくということが、……美しということなんだ……。
「あんな雰囲気のあの人を見たのは、初めてだ……」
そう言って、私を見つめるウリア様。
……私のせいだ……。なんか、もの凄いショック……。
私は、あの人が消えていったあたりに目をやる。
「それにあの人が……、ボクたち以外の何かを名前で呼んだのを、初めて聞いたよ……」
え?
私は、ウリア様を見る。
「どうやら、キミは特別な存在のようだ。アンジェリア。ボクもキミの名前を覚えておくことにするよ」
そう言ってウリア様も消えてしまった。
また、白い空間に一人取り残された私の前に、光の使徒が現れた。
光の使徒は、その姿が見えない程、相変わらず眩いばかりに神々しい光に包まれている。けど、あの人と会ってしまった後では、その神々しい光も……、なんだか形だけのものにしか感じられない……。
「もとの世界にお連れします」
そう言って光の使徒が、私に向かって手を差し伸べる。
私は無言のまま、その手に自分の手を添えた……。
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