天界の超絶プレイボーイたち

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天界の超絶プレイボーイたち

 気がつくと……。私は、白い空間に居た。見渡す限り、遮るものもない広大な白い空間……。  天界? 天国……?  周りを見回しても、私と光の使徒しかいない……。光の使途は、静かに私の前に佇んでいる。さっきまでは、眩いばかりに輝いていた光の使徒も、この白い空間の中では、光が拡散してしまって、あまり迫力がない。それどころか、空間に溶け込んでしまっているかの様。そのシルエットだけがぼんやりと輝いている。 「ウリア様が来ます。ここで、お待ち下さい」  光の使徒は、その言葉とともに白い空間の中に消えてしまった。  白い空間に一人取り残された私……。いったいここは……。  本当に何もない。果てしなく白い空間が続いているのか、白い部屋に閉じ込められているのか。    なんか怖い……。せめて拠り所が欲しい……。  不安の中でハッと背後に何かを感じて、振り返る。すると、真っ白な長椅子が置いてあった……。  さっきまでは無かった……。ここに座って待ちなさいって、ことかしら……。  恐る恐る近付いて、手で触れてみる。キラキラとした毛並みの白いモフモフの毛皮の様で気持ちがいい。周囲を見回して警戒しつつ腰掛ける。ふんわりとして柔らかい。  …………。  随分と時間が経ったような……。緊張して背筋を伸ばして待っていたけど、誰も来ない……。  頭の後ろで手を組んで、背もたれに身を預けて仰け反った。上空の方も突き抜けるように真っ白い。天井も何も見えない。床も真っ白で、はたして床があるかどうかも分からない。足を投げ出して、トントンと踵で地面を叩いてみる。何故か足には床の様な抵抗がある。なんだか、雲の上にでもいるみたい。もしかしたら、本当に雲の上かも知れないけど……。  …………。  …………。  誰もこない…………。  …………。  ちょっと、眠くなってきた……。  …………。 「座っていいかな?」  突然声がして、跳ね上がった。直立して、左右を見回す。  ……空耳? ……夢? そうだ! ウリア様との謁見の前だったんだ! 何やってんだ私!!  ん? 気配を感じて振り返る。さっきまで、私が居た長椅子に誰かが座っている!!
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