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最終日、今日も俺は厳重に首にタオルを巻いて出勤していた。
何故、厳重かというと翔琉と逢った次の日へと遡る。
一晩中寝付けなかった俺は、いつになくぼんやりとした頭で、宿泊先から目と鼻の先にある海の家へと出勤した。
すると既に出勤していた紫澤が俺を見るなり、無言で自身の持っていたタオルを俺の首へと素早く巻く。
「……え?俺もタオル持ってますけど」
何故その様な行動を取ったのか分からず俺は戸惑う。
「高遠君……もしかして昨日あれから例の彼と会った?」
溜息を付きながら尋ねる紫澤に、俺は思わず赤面する。
「えっ!何で分かったんですか?!」
冷や汗を掻きながら話す俺の、昨日翔琉に吸われた首筋辺りを紫澤がタオルの上から触れる。
「……牽制してる、ってことですね」
「は?」
「後で、トイレに行った時にでも鏡でその辺りを確認してみて下さい。隠した理由が分かるはずです」
目だけは全く笑っていない紫澤の言葉の意味を、その後俺はトイレの鏡の前で知り、思わず絶叫してしまったのであった。
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