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ACT1 暴言吐きまくり女子だけどなんか可愛いのは何故だろう?
*
できた女のコは、何故かダメ男にひっかかる…
なんでだろうな~?
いくら考えたって、答えなんてわかんね。
だから君も…
目を覚ましたら、まだ窓の外は暗かった。
いや、正確に言うと…暗くなってたんだ。
湿っぽいベッドの上、寝ぼけたまま枕元のスマホを手に取ると、デジタル時計はPM7:00を表示していた。
「あ゛~………」
それを見た瞬間、俺のやる気ゲージは一気にゼロになる。
「…ふぅ…」
まぁ、つまりだ…
この時点でもう、今日やろうとしてたことの全てを、諦めたって事だ。
どうやら俺は、人間が生きる糧にするはずのやる気という感情を、この25年の間にどこかに置いてきたようだ。
やる気無し男万歳。
やる気無し男天晴れ。
お疲れ…俺。
どうせなにをやっても上手くいかない、ダメダメ人生だ、今更何をあがいても人生なんて変えられないさ。
そう思って吐いた息は、果てしなくバーボンの匂いがしていた。
ライブの打ち上げと称して、バンド仲間と、浴びるように酒を飲んだ昨夜。
部屋に帰って来たのは、結局、朝7時だった。
歯磨きもしてないどころか、風呂すら入ってなくて汗くせー…
鏡なんぞ見なくても、不精ヒゲで人相悪くなってることぐらい、自分で把握してる。
これでもバンドのフロントなんだ、多少は佳い男……な、はずだけど。
今はきっと、ものスゲーダメ男の表情(かお)してると思う。
トレードマークにしようと思って、もうここ3年、髪は銀色に染めたままだ。
ほんとにトレードマークになってるのかは、謎だけどさ…
酒くせー息を吐き出しながら、体を起こして、スマホを開いてみる。
と、何故か…lineの通知102件。
「…………。」
寝ぼけてんのか?
俺?
頭に手をつっこみ、俺は少し考える。
これはスパムか?
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