二.

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「……えっと……うん」 「やっぱり! 仲間がいてよかったぁ」  彼は真剣な目つきから一転して、目元をゆるめて眉尻も下がりニッコリ人懐っこい笑顔を浮かべた。 「そう、なんだ……」  美希からすれば、どこかの雑誌からそのまま出てきたような、モデルと同様に―いや以上に―容姿が整った美少年と話すのは、どことなく気恥ずかしかった。  それは彼がかっこいいからであるし、自身が地味で、目の前の少年と話す光景がおかしいことが理解できていたからに他ならない。  しかし彼はそんなことを知るわけもなく、初対面の美希にも気さくに話しかけてくる。少し丸みのあるアーモンド型の目はくりっとしていて、同年代であることがよく分かった。 「俺はねぇ、ライって名前でやってる! 君は?」 「あ……、私は、シオンです」  ライというのがゲーム内での名前であると美希は気づき、自身の名前も素直に言った。 「やっぱりウィザードだ。いや、ウィッチか……」  嬉しそうに呟いたあとで、美希が女の子だからとウィッチのほうに呼び方を変えるべきかとブツブツ付け足しながら、彼女の横に並んだ。
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