二.

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 このまま話しかけていいのか、と思いつつ美希は背の高い彼の顔を見上げる。 「……あの、あなたも、ログインしに?」 「うん、そうそう! 昨日からサービス開始したじゃん、ログインできるゲームセンターってのが近所になくて、ここまで来ちゃった」  口ぶりから察するに、少し足を伸ばしてきたようだ。そして、外国人のように見えるが日本語を流暢に話している。ということは、見た目がそうなだけで日本生まれなのか、長く住んでいるのか。  どちらにしても、このまま話してもよさそうだ。美希もようやく和んだように微笑む。 「そうなんだ。私も、今日は来れそうっておもって、それで」 「じゃあさ、一緒にログインしようよ。俺一人だと不安だし」 「……え?」  唐突な提案に、きょとんとする。彼は全然、全く不安そうには見えないし、外見のままなんとなくゲームの世界でも強そうに思えた。 ―私なんて、もっと、なんにもできないのに……。  美希は困ったようにかたまってしまう。しかし彼はそんな彼女を気にしていないようで、ゲームにログインするのに必要なカードを取り出した。 「実は、パソコン版のゲームは途中で諦めちゃって……、知識が中途半端でさ。シオンちゃんはクリアした?」 「う、うん、一応……」 「なら、なおさらだよ! 一緒にいてくれたら心強いな。だめかな?」  よく見れば、彼の瞳は白髪とは違って漆黒のように黒かった。見れば見るほど引き込まれる輝きを伴った瞳に、美希は小さく、いいよとうなずくのが精一杯だった。
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