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ある日の少年とその父。
「父さん、僕は誰とも結婚しなくてもいいかな。僕が結婚すると奥さんは死んでしまうんでしょ?」
少年は「父さん」と呼ぶにはとても若い青年を仰ぐ。
少年と青年の顔はとても似ていて、血の繋がりが感じられる。
少年はまだ10歳前後、そして青年はまだ20代に見えた。なので、親子というよりも兄弟のような二人。
二人は大木の影で涼みながら、話を続ける。
「……でもヒトシは18歳までに結婚しないと死んでしまうんだよ。それでもいいのかい?」
「いいよ。だって父さんも母さんが死んだ時、悲しかったんでしょ?僕はそんな悲しい思いをするくらいなら死んだほうがいいよ」
少年ははっきりと意志を伝え、青年は何も言わずただ悲しそうに微笑んだ。
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