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蜀書第六、馬超伝です
1.
馬超字孟起，右扶風茂陵人也。父騰，靈帝末與邊章、韓遂等俱起事於西州。初平三年，遂、騰率衆詣長安。漢朝以遂為鎮西將軍，遣還金城，騰為征西將軍，遣屯郿。後騰襲長安，敗走，退還涼州。司隷校尉鍾繇鎮關中，移書遂、騰，為陳禍福。騰遣超隨繇討郭援、高幹於平陽，超將龐德親斬援首。後騰與韓遂不和，求還京畿。於是徵為衞尉，以超為偏將軍，封都亭侯，領騰部曲。
（訳）
馬超はあざなを孟起といい、
右扶風の茂陵の人である。
父の馬騰は（後漢の）霊帝の末年に
辺章・韓遂らとともに西州で決起した。
初平三年（１９２年）
韓遂と馬騰は軍勢を引き連れ長安へ赴いた。
漢朝は韓遂を鎮西将軍に任じて金城へ還らせ、
馬騰は征西将軍に任じて郿に駐屯させた。
後に馬騰は長安を襲撃したが、
敗れて涼州へ逃げ帰った。
司隷校尉の鍾繇は、関中に赴任すると
馬騰と韓遂に書を遣って
（朝廷に）帰順した場合と
反抗した場合の利害について陳述した。
馬騰は馬超を遣して鍾繇に随行させ
平陽の高幹と郭援を討伐させると
馬超の将の龐徳が自ら郭援の首を獲った。
後に馬騰は韓遂と不仲となり
都へ帰りたいと願った。
そこで、召して衛尉とし
馬超を偏将軍として都亭侯に封じ
馬騰の私兵を統率させた。
（註釈）
馬超は右扶風の出身です。
前漢の首都は長安で、
長安周辺の地域を関中といいます。
漢の7代武帝が関中を
京兆尹、右扶風、左馮翊の三郡に分割し
この三つを称して三輔と呼び、
その地方を統括する
官吏の名にもなりました。
後年、魏が右扶風を改めて
扶風郡と制定しました。
なので資料によって
「右」が付いてたり付いてなかったり。
馬超は光武帝の功臣、馬援の子孫です。
老いてますます盛ん（老当益壮）な人で
「矍鑠」の語源にもなった
黄忠の前身みたいな存在です。
諺になっている「井の中の蛙」も
元を辿れば馬援の発言です。
馬超の父の馬騰については
次のページで詳しく見ていきます。
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