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私のお姉ちゃんは異世界から来た人だ。
魔法主体の世界なのに、あまり魔法を使わないし使えないと言ったりもする。
一対一の近接戦闘において、ほとんど負けはなく、負けたのも相手が同じく異世界から来た勇者という話しだ。
世界を救ったのは勇者とされているが、実際には勇者一行とこの世界の強者、そしてお姉ちゃん率いる小さな傭兵団である。
そしてお姉ちゃんは自身を英雄とは言わない。
いや、言ったこともあるが、それは敵兵を多く殺したという、自虐や自戒によるモノで、それを誇る事はない。
ましてや正義であるとは決して言わない。
なれるなら成りたい、と言ったりもするが諦めと、それに似たモノを感じる。
真の正義は悪も救える力と心がある、とお姉ちゃんは言う。
正直のところ無理、無茶、無謀だと自分でも思っているが、私は“正義の味方”を目指してみようかと思う。
お姉ちゃんの夢を、私が掴んでみせる。
みせられたらいいなぁ…
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