新学期

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……… …… 次の教室は演習室。 普通の教室の約3~4倍程度の大きさがある教室だ。 ここでは十数年ほど前から導入された、練魔石による武器創造をする、とリッサ先生は説明した。 「―― で、だ。この創った武器こと魔武器のメリットは二つだけど、誰かわかるかな?」 すぐさま、リエルの隣でフレイヤの手が上がり、それじゃー、と答えるように促された。 「はい。まず一つは携帯性。使い魔武器の略称でもあることから、何も持っていなくても武器を呼び出す事ができる事です。 二つ目は平均的に見ると、通常の武器より性能がいい事です。刃こぼれなど壊れる事はほとんどなく、壊れたとしても時間経過で修復します。また、聖剣や魔剣ほどではないにしろ、特殊能力を持っている場合が多い事があげられます」 「はい、特に修正点のない説明で、楽できました。じゃー、デメリットもお願いしようかな?」 ((楽するつもりか…)) フレイヤ含むクラス全員がそう思いつつも、今度はデメリットを言う事にした。 「あ、はい。えーっと、デメリットは、先ほど言った特殊能力を持った魔武器は融通が利きにくい点です。強い能力ほど加減が利かない事があげられます。能力は個体差があり、一概には言えない、ですね?」 「はい、先生は楽が出来ました。私も持っているのでそれを例にしましょう」 そう言っておもむろに手をかざすと、光の粒子が手に集まり剣の形を取った。 軽く波打った片刃で長めの赤い片手剣。 「名前はブレーカーシュテル。かなり切れ味のいい片手剣で、今まで切ろうとして切れなかったモノはあんまり無い、はず。 ちなみに非実体剣のため鍔迫り合いが出来ません。更に鍔迫り合いの形で敵の剣を切ろうモノなら、切れた先に襲われます。 融通が効かない、っていうのはこんな感じかなー?」 剣を再び粒子にして消すと、話しを続けた。  
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