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そんな話をしていた時に、リエルの耳に妙な、誰かが言い争っているような声が聞こえた。
「ちょ――!―め――――よ!」
「―― ――ぐ――ね―!」
ただの言い争い、にしては少し様子がおかしい。
「シィちゃん」
「あまり関心はしないかなぁ?」
シエルは、リエルが何を言おうとしたか、何となく察していたが、止めても聞かないのを知っているため、特に止めようとはしない。
「何かあったら、お願いね」
「はいはい」
リエルは言い争いの声の方向に走り、シエルはそれを追う形になる。
「いい加減にしなさいよ!渡すモノなんか無いって言ってるじゃない!」
「うるせぇな!黙って渡せよ平民!」
「痛い目みないとわかんねぇのか!ぁあ!?」
ゴテゴテとムダに凝った作りをした、あまり良い趣味とは言えない派手な装飾品を身に付けたチンピラのようだが、貴族らしい。
それに割ってリエルは入った。
「女の子一人に三人掛かり。格好悪いことは止めなよ」
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