クーラー病

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/1

クーラー病

「ひゃー。暑い暑い。おまえんちまだか。早くクーラー当たりてえ」 「うちは涼しくないよ」 「え。なんで。クーラー、ないとか?」 「クーラーはあるさ。もちろん。でも、つけれないんだ。クーラー病なんだ」 「ええー、クーラー病か。そうか。ーー仕方ない。せめてパンツ一丁にならせてくれ」 「それぐらいはいいさ。ごめんな」  二人は家に着いた。  友達が見やると、たしかに立派で大きなクーラーが天井近くに(しつら)えてある。 「こんなすごいのあるのに。でもしょうがねえよな。クーラー病じゃ」 「悪い。ごめんな」  すると突然、クーラーの吹き出し口が歪み、クーラーがゴホッゴホッと咳き込んだ。 「わ。な、なんだ。このクーラー、咳してる」 「だから言ったろ。クーラー病だって」 「ーー。」  友達は沈思黙考。  しばしのあと、口を開いた。 「ま、いいだろう。涼しくないという点では、変わりない」
/1

最初のコメントを投稿しよう!