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この独特な嫌悪感は
自覚してからというものの
さらに加速していった。
フローリングの床に残る自分の体温が嫌で
つま先立ちをして歩くようになった、
手で食べる物が食べ進めるまでに
手の熱が移って嫌になる、
そんな毎日を繰り返すうちに
ふと、あることに気がついた
私は私から 逃げられない
こんなに絶望的で簡単な答えが
あっただろうか。
私は、私の嫌いとする体温を持った生き物と
一生付き合わなければいけないことに
人生半ばで気がついてしまった。
ここであえて言わせてもらうが
私は自分を嫌ってはいない
自己肯定感だの自己否定だのを
頻繁に耳にするこの時代
実はそんなに自分を嫌っていないのだと
逆に自覚せざるを得なかった。
ただそこにあったのは
なんとも皮肉な自己愛…
いやいや自分を大切に出来るのは
良いことだろうと
言い聞かせてるように口に出してみた。
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