飼い犬に噛まれる

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「バカ犬」  甘えろの合図は主人が自分の頬を指さす。それが全くできていない。  感情はいらない、命令に忠実であれ。騎士であったのだからそれは身体にしみついているはず。それなのに命令に背くのはわざとでしかない。  そう、リキョウの本心をわかっていて、そういう態度をとっているのだ。  口づけをするのをやめない。ピリッとした痺れと共に鬱血の痕が残る。  リキョウの中で何かが弾ける様な音がして、ユーエンの髪を掴み、 「俺をその気にさせた罰だ。楽しませろよ?」  と囁くと、ユーエンの枷を全てとりはらう。  許しと自由を得たユーエンは、欲情のままリキョウに襲い掛かる様に覆いかぶさって服を乱し、その肌をゆっくりと撫でまわす。 「主」  うっとりとした声に、リキョウは下唇を舐めて微笑む。 「行為の間だけ、俺の名を呼べ。上手に出来たらご褒美にお前の名を呼んでやる」 「解りました」  リキョウを腰の上にのせたまま、乳首を舌先で舐め。  その刺激に胸を張り仰け反るリキョウに、優しく噛みついて。  腰を支えながらもう一方の手は後ろの孔へと忍び込む。 「ん、はぁっ」  優しく抱かれるのも、じれったいのも嫌だ。はやく中を熱く大きいモノで突いて欲し。 「よこせよ、お前のモノを」  愛しい男から与えられる快楽に涙を浮かべながら、それでも強いまなざしをユーエンに向けてそういえば、ウットリとした表情を浮かべた。 「ずっと待てをしてました」  と、体を乱していくユーエンに、爪を立てその快楽を受け入れる。  深く食い込んだ爪は彼の皮膚を傷つけたようで、鼻孔をくすぐる血の香がした。 「ん、リキョウ……」  陶酔するようにうっとりとユーエンが笑う。  そんな顔をするユーエンを見て、リキョウも妖艶に微笑んだ。
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