子犬を拾う

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 話を聞き終え、何が知ったリキョウが成程なとつぶやく。  きっと館では大ごとになっているだろう。理由がどうであれ犬が主人の子息に手を挙げたのだから。 「追手が出ているだろうな、お前らに」  命令なく犬が人に手をだせば処分されるだろう。 「俺は処分されても良いんです。でも、シユは何もしてないんです。お願いです、シユだけはどうか……」 「何を言っているの! 僕だって同罪だよ、シア」  ぎゅっとシアの手を掴み、リキョウを見る。  先ほどまではおどおどとしていたのに、今は強い意志を持った目をリキョウに向けている。 「面倒なことになった」  はっきり言えば、あまり関わり合いになりたくない。だが、リキョウの隣にいる飼い犬が静かに怒りを膨らませているのを感じる。 「ユーエンはどうしたい?」  そう問うと、 「どうか、この子達にご慈悲を」  思った通りの回答を口にする。  面倒だが、ユーエンが望むなら手を貸さないこともない、そう思っているのだから。 「わかった。準備をするから、それが終わるまで待て、だ」  嬉しそうに笑みを浮かべるユーエンの表情が目に入る。その表情に満足げに笑みを浮かべてユーエンの肩を軽く叩く。 「食事にするぞ、ユーエン」 「はい」 先ずは美味しい食事から。はかりごとはその後だ。
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