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制作進行、という仕事をご存知だろうか。
アニメーションを作る仕事ではあるが、その内容は専ら作家の編集担当に近いものがある、と僕は思っている。仕事の大半は事務だが、物理的に原画回収と追っかけを行う必要がある面から足を使うことも少なくない。
主にアニメの作画担当者を決めて、彼らの進行管理をし、演出や作画監督とのミーティングをセッティングし、彼らの仕事が滞りなく進むようあらゆる準備を進める縁の下の力持ちである。アニメーション制作会社に机を持っている人間というのは、何もクリエーターばかりではないのだ。
原画担当者は、制作進行が全て自分で決めて外注をかけなければいけない。何故かといえば、基本的に同じ会社に机を持っているアニメーターだけでは手が足りないからだ。それまで築いたコネクションを駆使して、手があいている原画マンを捜して交渉しなければならないのである。
もっとも、その“原画を依頼する”行動をする前にも、もりもりと仕事はあるわけだが。
「はああああああああああ……」
というわけで僕は。担当者が発表された件の会議から約一ヶ月後の今、ぐったりとオフィスの机の前で死亡しているわけである。
嬉しい気持ちはもちろんある。野球部主将、丸伊真一キャプテンが率いる熱血野球部物語。どんな苦境であっても諦めぬ丸伊キャプテンの第三の物語を、自分の手で完結させることができると思うと本当に感慨深いのは事実である。
与えられたスケジュールは、おおよそ二ヶ月。二ヶ月で、全ての作画を完成させ音をつけ色を付け撮影し――というところまで持っていかなければいけない。一ヶ月の鬼スケジュールで仕事を投げられるブラックなスタジオもあると聞いているから、まだマツオカアニメーションはマシな方なのだろう。
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