森の住人と日常

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ナスカと楽しく帰って来た私を居間で出迎えたのは、所狭しと並ぶ大量の魔導機だった。 目が点になる。気まずい感じのカイトと満面の笑みのポンさま。 「……カイト。」 「はい!!!姫様!!」 「……言うことは?」 「すいません!!楽しんじゃいました!」 「……説明を。」 「ポピット族の付与式魔術魔法陣は凄いんですよ!!だからつい…どれなら使用出来どれは改良が必要なのか調べまくったんです。」 「……ほう。」 「夢中になり過ぎまして…結果こんな感じに!!俺満足っす!!」 キラキラと輝きが放たれるような雰囲気でカイトはニカリと笑い、グッと親指を立てた。隣でポンさまがカイトの真似をして同じポーズをする。 「……。早めにお家の改装してもらいましょう……それまで、カイト、魔導機作るの禁止!!!!!」 私の怒鳴り声に、二人してシュンと捨て猫みたいな顔をするの。 やだわ……罪悪感が……………。 「そんな顔してもダメ!!」 「どうして?どうして?マリー…。僕達の技術見たいって言ったよ?」 これは……狡いは……。 ウルウルお目々で、プルプル体が震え、しかも歯をくいしばってるのよ……。 私がいじめてるみたいじゃない!! だから……小さく息を吐いてから私はしゃがんでポンさまを見上げるの。 「ぽんさま。わたくしの忠臣であるカイトにお付き合い頂きありがとうございます。この大量の魔導機は全て目を通させて頂きますわ。ですからご説明をお願いしてもよろしいでしょうか?」 「うん。うん。良いよ。こっち来て。」 パアァァ。と頬を赤らめ満面の笑みを浮かべたポンさまは、私の手を取って引きながら、大量の魔導機を一つ一つ楽しそうに説明してくれる。合いの手でカイトが入ってくるので、その度にブリザードの笑みをカイトに投げてあげたの。 たしかに素晴らしいわ。でもね…物には限度があるのよ!!! 全ての説明を聞き終わったのは、外がオレンジ色から紫色に変わり始めた頃だった。 げっそりしそうになるのを、完璧なる淑女の笑みでやり過ごし、ポンさまには丁寧にお礼を言い客間に案内して、ポンさまが客間の中に入ってくのを見届けた瞬間に、カイトをグレイプニルで拘束しズルズルと引きずりお外に思いっきり投げた。 「物には限度があるでしょうが!!!」 「はい!!すいませんでしたぁぁぁ!!」 カイトは転がりながら叫ぶの。だけど…なんだろう…すっごくスッキリした顔してるのよ。 「と・に・か・く。カイト!!作るならポンさまの里に行きなさい!!お家の改装が終わったら好きにして良いから!!」 「畏まりましたぁ!!!」 ほんとにわかってんのかな……。私は胡乱気に転がってるカイトを見つめるの。 「何やってんの?姫さま?」 後ろから聞こえて来たアビの声にそちらを振り返ってみる。何故かトリスタンが居た。 「あら?アンヌは良いの?」 「はい。あちらはリリーの契約魔族を二人置いて来ましたから。」 「ベルーペナン港の事かしら?」 「はい。報告を。」 「そう。ならば夕食の後に聞くわ。スタン。カイトに稽古してあげて。しっかりと。」 私の願いに、スタンは素晴らしい笑みを浮かべ、カイトと真っ青になったのよ。 「畏まりました。」 うん。お仕置きは大切。 「アビお帰りなさい。」 「ただいまです。マリーちゃん。」 「どうだった?」 「ん……。後でスタンから報告ありますが、わけわからんです。はい。」 「そう。なら後ね。」 私達は、激闘を繰り広げる二人を背にお家に入っていったの。
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