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手のひらサイズのベルは、きょとんとくりくりの
目をぱちくりさせて鳴いていた。
しっぽをふりふりさせているから
何故叱られたのか分からないのだろう。
するとシャワーに入り終わった社長が
アダムを連れてリビングに入ってきた。
「どうしたんだ?」
「あ、実は……キャアッ!?」
社長の姿を見て思わず悲鳴をあげた。
だ、だって……上半身何も着ていないんだもの。
キャア……せめて何か着てよ!!
「社長……上に何か着て下さい」
「はぁっ?別にいいだろーが。
ここは、自宅で俺達は、夫婦なんだから」
「そう言われましても……」
まだお互いに身体を重ねた訳ではない。
だから社長の身体を見るのは、
初めてな訳で慣れていない。
恥ずかしくて……目のやり場に困ってしまう。
慌てて背中を向けた。
心臓がドキドキと高鳴ってうるさい。
すると社長は、何を思ったか私を後ろから
抱き締めてきた。
「キャアッ!?ちょっと……」
「もう夫婦なんだから恥ずかしがってどうするんだ。
堂々と見ればいいだろう?」
抱き締めながら耳元で、そう囁いてくる。
低くて甘い声。
さらに心臓がドキドキと高鳴ってしまった。
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